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オゾンラボ

FILE
163

窒素ガスによる海ブドウの共生虫駆除実験Ⅱ

◆ 実験課題

先のオゾンラボ:FILE161で報告したオゾンによる海ブドウの共生虫駆除のレベルアップを目的として、今回は窒素ガスを用いた方法による共生虫の駆除品質を評価する。

◆ 実験方法

海ブドウを洗浄する水槽の海水にファインバブルの状態で窒素ガスを混入させる。
供給する窒素ガスは 濃度99% × 3L/min とする。

洗浄用のカゴに海ブドウを入れて、水槽に浸した状態で左右に振り、共生する虫がどれだけ除去できるかを確認する。
除去レベルを明確にするために、できるかぎり多くの虫が共生している海ブドウをサンプルとする。

実験装置

◆ 実験結果

オゾン処理の場合は洗浄開始数秒間で多くの虫が海ブドウから離れて水槽内を浮遊した。
それに対して窒素ガスの場合は洗浄数分経過したころから徐々に虫が浮上しはじめるのを確認した。
オゾン処理ではオゾン濃度が高いエリアから虫が逃げることにより生存した状態であったが、窒素ガスにより窒息することで死骸が浮上する状態となった。

◆ 結論

実験の結果から、現状の二酸化炭素を使用した方法と同等の品質で共生虫を除去できる結果を得た。
また窒素ガスによる長時間の処理をしても海ブドウへの悪影響は認められないため、さらなる除去レベルが向上できると判断する。
加えて、今回処理した海ブドウは翌日の出荷検査にも合格して実際に出荷された。
さらに駆除作業および商品評価の作業時間短縮などの効果も期待できるという意見をもらった。

◆ 考察

今回の100L水槽による実験結果をもとに、実際の作業環境に適したN2ファインバブルシステムの設計と見積りを依頼された。