化学分析センターのアセトン排気脱臭
◆ 研究課題
化学分析工程で発生するアセトンを効率よく脱臭できる方法を検討しているが、なにか良い方法はないか という問い合わせを受けました。
現在は排気を燃焼処理しているようですが、排気熱と光熱費の問題があるため、コンパクトで高効率な処理技術を探しているということでしたので、水吸着とオゾン分解による脱臭技術の有効性を確認しました。
◆ 実験方法
分析工程で使用するアセトンを提供していただき、バブリングにより臭気を再現する。
その臭気を臭い袋に回収してオゾンと反応させて臭気の分解脱臭効果を確認する。
次に水吸着による脱臭効果の確認実験を実施する。
臭気の評価は、原臭気と脱臭後の臭気に対して、それぞれニオイセンサーと官能的臭気強度
および簡易的な臭気濃度測定により実施する。
オゾンガスによる分解脱臭
水中バブリングによる吸着脱臭
◆ 実験結果
ニオイセンサ | 臭気強度 | 臭気濃度 | 脱臭効率 | 備考 | |
原臭気 | 1050 | 5 | 3200 | - | 強烈な臭い |
オゾン分解 | 960 | 5 | 2500 | 22% | 強烈な臭い |
水吸着 | 550 | 3 | 250 | 92% | 楽に感知できる臭い |
◆ 結論
実験結果より、アセトン臭をオゾンのみで分解することは困難ですが、水吸着による脱臭効果は高いと判断します。
ただし、アセトンを吸着した水を二次処理する方法の検討が必要であり、オゾン水分解処理の有効性に関する追加実験を計画します。