コーヒー焙煎工場からの排気脱臭
◆ 研究課題
以前に室内に漂うコーヒーの臭いを脱臭する実験をFILE037で紹介しましたが、今回はコーヒー焙煎工場からの強い臭気を脱臭できないかという問い合わせをいただきました。
既設の排気ダクトには集塵装置を設けて煙は除去できているが、悪臭防止法の排出口における規制値以上の臭気が排出されているため早期に解決したいということでした。
そこで、集塵装置の後に分解触媒と脱臭フィルターを設けたユニットを実際の現場に持ち込み、デモによる脱臭効果を確認していただきました。
◆ 実験方法
工場の排気ダクトを分岐し排気の一部を実験装置に供給する。
最初に電気集塵装置で煙を除去し、後工程に分解触媒と脱臭フィルターを設ける。
集塵装置の処理後と分解触媒および脱臭フィルター処理後の臭気を回収し、お客様が手配した分析センターにおいて臭気濃度を測定する。
測定結果により脱臭効果を評価する。
集塵装置からの排気を分解触媒に供給
分解触媒からの排気を脱臭フィルターに供給
◆ 実験結果
測定場所 | 臭気濃度測定結果 | 脱臭効果 | 臭気指数(排気口) |
集塵装置後 | 16,000 | - | 42 |
分解触媒後 | 10,000 | 38% | 40 |
脱臭フィルター後 | 1,000 | 94% | 30 |
◆ 結論
分解触媒のみでも悪臭防止法の排出口規制値をクリアーできる可能性を確認できましたが、安全率を考慮して脱臭フィルターの併用をお勧めしました。
今回の実験で確実に規制値をクリアーできることが確認できたため、提案した脱臭装置を導入する方向で検討していただくことになりました。