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オゾンラボ

FILE
182

堆肥製造工程で発生するアンモニアおよび臭気対策

◆ 実験課題

FILE071で豚舎における堆肥製造工程での臭気に対する脱臭実験を紹介したが、豚の排泄物ではない堆肥工場からも問い合わせがあり、アンモニア及び排気脱臭に対する脱臭効果の実験をする

◆ 実験方法

提供していただいた検体➀(発酵槽A)を200g程度瓶詰めし、そこに強制的に空気を供給することで原臭をにおい袋に回収する。(原臭気)
・空気のみを送り込んだ臭気を水を貯めた三角フラスコに供給し、セラミックフィルターを用いてバブリングさせた臭気をにおい袋に回収する。(水吸着による脱臭)
・次にバブリングする空気にオゾンガス(オゾン濃度1ppm)を供給して発生させた臭気をにおい袋に回収する。(水吸着+オゾンによる脱臭)
・さらに水中バブリングせずにオゾンガス(オゾン濃度3ppm)のみを送り込んだ臭気をにおい袋に回収する。(オゾンによる脱臭)
・検体②(発酵槽B)も同様の手順で実験をおこなう。
・回収した上記2検体各3種類の臭気を下記方法で濃度測定をおこなう。

1)気体検知管によるアンモニア濃度の測定。
2)嗅覚を用いた臭気簡易評価法(二点比較式臭袋法)による臭気濃度の測定。
3)上記で算出した臭気濃度を用いて臭気指数を算出。

下記式にて脱臭効果を算出する。
脱臭効果=1-( 脱臭後の臭気濃度÷原臭気の臭気濃度 )

◆ 脱臭実験装置

◆ 実験結果

検体➀ NH3(ppm) 臭気濃度 脱臭効率
原臭気 18 1000  
水吸着 0 30 97%
オゾンガス 18 1000 0%
水吸着+オゾンガス 0 30 97%

 

検体② NH3(ppm) 臭気濃度 脱臭効率
原臭気 39 3000  
水吸着 0 30 99%
オゾンガス 39 3000 0%
水吸着+オゾンガス 0 30 99%

 

◆ 結論

検体➀のアンモニア濃度は原臭気18ppmに対して水吸着では0ppmであった。また、オゾンガスのみでは18ppmで濃度に変化はなかった。 臭気濃度は原臭気1000に対して水吸着では30となり、水吸着による脱臭効率は97%であった。オゾンガスのみの臭気濃度は1000で変化はなかった。
検体②のアンモニア濃度は原臭気39ppmに対して水吸着では0ppmであった。また、オゾンガスのみでは39ppmで濃度に変化はなかった。 臭気濃度は原臭気3000に対して水吸着では30となり、水吸着による脱臭効率は99%であった。オゾンガスのみの臭気濃度は3000で変化はなかった。
以上の結果より、今回の堆肥から発生する臭気はアクアオゾンシステムによる水吸着のみで十分な脱臭効果が得られる。

◆ 考察

今回の実験ではオゾンによる脱臭効果は0%という結果になったが、アンモニアとオゾンの反応には時間がかかるため、今回は実験直後に臭気判定をしたことがその要因と考える。
ただし上記を考慮しても、今回の堆肥から発生する臭気をオゾンガスで脱臭するには多くのオゾンが必要になると判断する。