吸気の臭気対策におけるオゾン分解触媒の効果実証
◆ 実験課題
建屋の吸気における臭気対策としてオゾンガスを吸気ダクトに噴霧する場合、建屋内に吸引されるオゾンを分解触媒によりどこまで低減できるかを評価する。
◆ 実験方法
・実験用のダクトユニットに1m3/minで空気を吸引し所定濃度でオゾンガスを投入する
吸気ダクト出口のオゾン濃度は脱臭効果を想定した1ppmと過剰濃度の2ppmとする
オゾン濃度の測定はダクト出口の空気をにおい袋に回収してガス検知管で吸引する
ガス検知管はガステック社製18L(測定範囲:0.05ppm ~ 6ppm)を用いる
・次にダクト内に分解触媒を1層設置した時のダクト出口のオゾン濃度を測定する
・さらに分解触媒を2層設置した時のダクト出口のオゾン濃度を測定する
触媒サイズ □137mm✕厚25mmであり面速度0.9m/sec(触媒推奨値2m/sec以下)
触媒1層と2層のSV値は約126,000と63,000(触媒推奨値200,000以下)
実験システム
◆ 実験結果
触媒無オゾン濃度 | 触媒1層のオゾン濃度 | 触媒2層のオゾン濃度 | 備考 |
1ppm | 0.05ppm | 0.05ppm未満 | ガス検知管の 測定限界 0.05ppm |
2ppm | 0.12ppm | 0.05ppm未満 |
◆ 結論
吸気ダクト内におけるオゾン濃度1ppmで設計した場合、分解触媒を1層設けることにより0.05ppmまでオゾンを分解除去できると考える。
さらに分解触媒を2層にした場合にはほぼゼロに近い濃度まで分解除去できると判断する。
◆ 考察
実際に2ppmのオゾンを分解触媒2層通過後の排気を鼻で嗅いでもほとんどオゾンのにおいは感じられなかった。