樹脂バインダー定着工程で発生する臭気の脱臭
◆ 実験課題
成形ローラーの樹脂バインダーを加熱定着する工程で発生するにおいに対して、当社のアクアオゾンシステムによる脱臭効果を評価する。
◆ 実験方法
・提供していただいた実験試料(定着前のローラー)を、OIL温浴槽を用いて約160℃に保温した実験用の過熱炉に投入して2時間過熱状態を維持する。
・実験用の加熱炉に約160℃に過熱した熱風を4L/minで供給し、過熱炉から排気される臭気を
におい袋に回収して脱臭処理前の原臭気とする。
・次に加熱炉からの排気を水中バブリングし、排気をにおい袋に回収して水吸着後の臭気とする。
・さらに加熱炉に供給する熱風とともにオゾンガスを供給し、上記と同様に水中バブリングした排気をにおい袋に回収して水吸着+オゾン脱臭後の臭気とする。
この脱臭方式が当社のアクアオゾンシステムと同等の脱臭効果を得る。
脱臭効果については、嗅覚を用いた臭気簡易評価法(二点比較式臭袋法)による臭気濃度の測定結果を用いて下記式にて算出する。
脱臭効果 = 1-( 脱臭後の臭気濃度÷原臭気の臭気濃度 )
実験ユニット
◆ 実験結果
臭気濃度 | 脱臭効果 | 備考 | |
原臭気 | 3000 | ― | 臭気指数:35 |
水吸着 | 300 | 90% | 臭気指数:25 |
水吸着+オゾン | 100 | 97% | 臭気指数:20 |
◆ 結論
今回の臭気については水に吸着されやすい臭気であり、水吸着により90%の脱臭効果を得た。
さらにオゾンを加えた脱臭効果は97%であった。
◆ 考察
加熱終了後のローラーについて、表面の着色にムラがあったが樹脂は十分に定着しており、実現場と同等の臭気は再現できていたと判断する。
従って、実現場におけるアクアオゾンシステムによる脱臭効果も90%以上は確保できると考える。