水族館のろ過配管における沈殿物の分解除去
◆ 実験課題
水族館の循環ろ過配管における沈殿物をオゾンで分解除去できないかを評価する。
◆ 実験方法
・沈殿物を含むろ過水を三角フラスコに200mL投入する
・セラミックフィルタを用いてオゾンガスをバブリングする
オゾンガス濃度 25g/m3 ✕ 1L/min
・処理時間の経過とともに沈殿物の分解除去レベルを目視確認する
・最後にろ紙にて沈殿物を回収して残留レベルを評価する
・参考のために同様に空気をバブリングして分解レベルを確認する
酸素濃度 21% ✕ 1L/min
実験装置
◆ 実験結果
5分後 | 沈殿物の量が半減 |
沈殿物の量がわずかに減少 |
---|---|---|
20分後 | 沈殿物はほぼ分解し残留は微量 |
沈殿物の量がわずかに減少 |
60分後 | 沈殿物はほぼ分解し残留は微量 |
さらに減少したが残留物は残る |
ろ紙回収 | 脱色した沈殿物がほんのわずか残留 | ゲル化した多くの沈殿物が残留 |
◆ 結論
5分間のオゾンバブリングにより明らかに沈殿物は分解除去された。
20分後には水中に漂う沈殿物はほとんどない状態まで分解除去された。
◆ 考察
空気をバブリングするだけでも気泡がはじけることによる疑似的なキャビテーション効果で多少は沈殿物が分解除去されることを確認した。
ただしオゾンとの差は明確であるとともに、空気の場合は60分以上バブリングしても水中に漂う沈殿物は消えなかった。
今回の実験は高濃度オゾンによる加速度テストであるが、明らかな効果は確認できた。
次のステップとして、実際の循環ろ過システムにおいて沈殿物と低濃度オゾンを効率よく反応させる方法の検討が課題である。