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オゾンラボ

FILE
158

離型剤廃液の水質浄化実験

◆ 実験課題

FILE157で紹介した離型剤廃液の脱臭に加えて、離型剤廃液を浄化する方法として、オゾンを混合することによる浄化レベルを評価する。

◆ 実験方法

・提供していただいた廃液を広口瓶に投入してオゾンガスをバブリングする。
オゾンガスとの反応処理を効率よくするためにフィルタを用いてバブリングする。
オゾン処理時間は2分、6分、30分、60分とする。

・オゾン処理後の試料を採取し、原液を含めた5種類の水質を検査する。
水質の検査項目としてはCODとBODを測定する。
検査はJIS-K0102(工業排水試験法)の手順に準じる。※試料の前処理は簡略化

・廃液(原液)に対して、オゾン処理した場合の水質浄化効果を評価する。

水質浄化の効果については下記式にて算出する。

水質浄化効果=1-( 処理後の水質測定値÷原液の水質測定値 )

 

実験&評価ユニット

◆ 実験結果

脱臭実験において下記の結果を得た。

  COD 評価 BOD 評価 備考
測定結果 浄化効果 測定結果 浄化効果
原液 545mg/L 55mg/L  
2分処理 545mg/L 0% 27mg/L 51% 試料の透明度が少し低下
6分〃 545mg/L 0% 13mg/L 76% 徐々に透明度アップ
30分〃 424mg/L 22% -14mg/L 100%
60分〃 424mg/L 22% -14mg/L 100%

◆ 結論

提供していただいた廃液に関して、CODの評価においては60分間のオゾン処理でも20%程度の浄化効果しか得られないため、CODの明確な改善は困難と考える。
しかし、BODの評価においては、10分以内で100%に近い浄化効果が確認できた。

◆ 考察

BODの評価において良好な結果を得られたが、原液の測定値が想定よりも低い結果であるため、再度廃液を追加で提供していただき、BODの測定を実施する必要があると考える。

なおオゾン処理30分後および60分後の測定結果がマイナスを示していることに関して、原液に対するBOD測定前処理の空気曝気が不十分だったためと判断する。

参考としてオゾン処理により廃液の透明度がアップした。上記写真の60分後の資料では採取管裏側の水量を示すラインがくっきり見えるレベルとなった。
また写真ではわかりにくいが、2分後には廃液に含まれる成分がオゾン処理により析出するため一度透明度が低下し、その後はオゾン処理により透明度がアップしている。