MENU

新築物件へ設備導入をご検討の方

お問い合わせ

新築物件へ設備導入をご検討の方

 
 
 

オゾンラボ

FILE
148

ワイヤー放電加工機からの臭気対策

◆ 課題

室内に残留する加工液のにおいの除去方法として、オゾンと水中バブリングによる脱臭効果について評価する

◆ 実験方法

・提供していただいた加工液を三角フラスコに100ml程度投入し空気でバブリングすることにより臭いを強制揮発させる。その原臭気をにおい袋に回収して臭気濃度を測定する。

・バブリングする空気にオゾンガスを供給して発生させた臭気をにおい袋に回収して臭気濃度を測定する。(オゾンによる脱臭実験)
※ バブリング空気のオゾンガス濃度は5ppmとした

・次に空気のみのバブリングで発生させた原臭気を水を貯めた三角フラスコに供給し、セラミックフィルタを用いてバブリングさせた臭気をにおい袋に回収して臭気濃度を測定する。(水吸着による脱臭実験)

・さらにオゾン供給とセラミックフィルタを用いたバブリングにより処理した臭気をにおい袋に回収して臭気濃度を測定する。(オゾン+水吸着による脱臭実験)

脱臭効果については、臭気をにおい袋に回収して臭覚を用いた臭気簡易評価法(二点比較式臭袋法)による臭気濃度の測定法を用いて下記式にて算出する。

脱臭効果=1-( 脱臭後の臭気濃度÷原臭気の臭気濃度 )

脱臭実験装置

実験結果

脱臭実験において下記の結果を得た。

  LEVEL値 臭気濃度 臭気指数 脱臭効果 備 考
原臭気 370 100 20 -  
オゾン脱臭 - 30 15 70% オゾン臭残留
水吸着脱臭 270 50 17 50%  
オゾン+水吸着脱臭 - 30 15 70% オゾン臭残留

※ LEVEL値:ニオイセンサー(新コスモス電機 XP-329m)による測定値(参考データ)
オゾンが残留した状態では値がマイナス値を示し故障の可能性もあるため測定不可

◆ 結論

オゾン脱臭とオゾン+水吸着脱臭による脱臭効果は70%であった。
水吸着脱臭による脱臭効果は50%であった。
オゾンを利用した脱臭については、におい袋にオゾン臭が残留していた。

◆ 考察

オゾンを用いた脱臭についてはオゾン臭が残留していたことから考えると、実際の脱臭効果に加えてオゾンによるマスキング効果(原臭気が感じにくくなる現象)により官能評価に影響を与えている可能性がある。
その影響を除去するため、数日間保存して残留オゾンがなくなった状態で脱臭効果を評価する。

◆ 追加実験

  LEVEL値 臭気濃度 臭気指数 脱臭効果 備 考
原臭気 370 100 20 -  
オゾン 230 50 17 50% 3日半保存後の測定

◆ 追加考察

上記結論よりオゾン臭の残留がなくなったことで、マスキング効果がなくなり本来の脱臭効果50%が確認できた。
以上の実験結果よりオゾン脱臭と水吸着脱臭は同等の脱臭効果が得られると判断する。