薬品製造における排気脱臭
◆ 課題
薬品製造工程で発生する臭気成分に対して、当社のアルシマン(セラミックフィルタ)による脱臭効果を評価する。
◆ 実験方法
薬品製造工程のとおりに調合(薬品粉末にアルコール+精製水を所定比率で加えて撹拌)し、加熱して臭気を発生させる。
念のために、調合した薬品を2回に分けて、異なる加熱方法で実験した。
TEST1:加熱したフライパンに敷いたアルミシートに薬品を載せ、直火状態で加熱
TEST2:加熱したお湯に浮かせたボールに薬品を入れ、湯煎状態で加熱
発生させた臭気を、吸引ファンとダクトを用いてアルシマンを通過させる。
アルシマン通過前後の臭気をにおい袋に回収して臭気濃度を測定する。
脱臭効果については、臭気をにおい袋に回収し、臭覚を用いた臭気簡易評価法(二点比較式臭袋法)による臭気濃度の測定結果を用いて下記式にて算出する。
脱臭効果 = 1- ( 脱臭後の臭気濃度 ÷ 原臭気の臭気濃度 )
実験装置
実験結果
TEST1 | 臭気濃度 | 臭気指数 | 備 考 |
フィルタ通過前 | 600 | 28 | 薬品内部の温度は、 ほぼ全体に所定温度で管理できた |
フィルタ通過後 | 200 | 23 | |
脱臭効果 | 67% | - |
TEST2 | 臭気濃度 | 臭気指数 | 備 考 |
フィルタ通過前 | 300 | 25 | 100℃のお湯で湯煎し薬品も撹拌したが、 薬品内部の温度に誤差があり下回る部分もあった |
フィルタ通過後 | 60 | 18 | |
脱臭効果 | 80% | - |
◆ 結論
薬品加熱の温度により、原臭気に差異が生じたが、実験サンプルにより発生させた臭気に対しては、アルシマンにより70%程度の脱臭効果を得た。
◆ 考察
臭気の簡易評価法については、低い臭気を用いた濃度測定では誤差が大きくなる。 TEST2において原臭気が低かったことにより、測定誤差が影響して逆に脱臭効果が高い結果になったと考える。
あくまでも、上記脱臭効果は今回の実験条件における結果であり、すべての環境に対する脱臭効果を確約するものではないことをご理解ください。