工業排水試験法(JISK0102)による分析
◆ 課題
工業排水の水処理に関する問い合わせが増加し、それに伴いBOD・CODによる評価の要求が高まっている。 当社ではハック社のパックテストを用いたCOD簡易測定で評価を実施していたが、測定結果が安定せず適切な評価が困難であったため、JISに規定された試験法の実施を検討する。
◆ 測定方法
JIS K 0102 2016に規定されるBOD・CODMN測定方法を採用する。
BOD測定
・試料のpHを中性(7±1)に調整する。(サンプルを2種類準備する)
・20℃の環境で10分間バブリングして酸素飽和にする。
・サンプルの一つは即日溶存酸素を測定する。(D1)
・他方(ふ卵後)のサンプルは20℃で5日間放置した後溶存酸素を測定する。(D2)
・下記の式によりBODを試算する。
BOD(ppm)=(D1-D2)/P
P:希釈検水中の検水の占める割合 (検水/希釈検水)
COD測定
・試料適量(v)を蒸留水で希釈して100mLとする。
・比較測定用にブランク(蒸留水のみ)100mLを準備する。
・硝酸銀溶液(20w/v%)を各サンプルに5mL添加する。
・希硫酸(1+2)を10mL添加する。
・5mmol 過マンガン酸カリウム10mLを添加する。
・沸騰浴中で30分溶解する。
・12.5mmol シュウ酸ナトリウム10mLを添加する。
・5mmol 過マンガン酸カリウムにより滴定する。(a・bブランク)
・下記の式によりCODを試算する。
COD(ppm)=(a-b)× f ×(1000/v)× 0.2
f:過マンガン酸カリウム溶液のファクタ(試液表示)
BOD(DO)測定方法
COD測定方法
◆ 結 論
JIS K 0102に規定された試験法により適切にBOD・CODを測定できることを確認した。 今後の工業排水の水処理に関する実験に関しては、JIS同等の評価が実施できると判断する。
◆ 考 察
当社は工業排水の分析試験に関する認可機関ではないため、工業排水の水質証明書を提供することはできません。
ただ、オゾン技術を用いた工業排水の水処理(BOD・COD削減)に対する評価方法として、JIS K 0102を用いた測定結果を提供することは可能です。
工業排水の水質(BOD・COD)に関する課題をお持ちの方は当社にご相談ください。