オゾン水散布による土壌の変化 Ⅱ
◆ 実験課題
霧状のオゾン水を果樹に噴霧することによりオゾン水が浸透した土壌と、オゾン水が接触していない土壌の差異を確認するために、土壌に存在する一般生菌についてFILE134で報告したが、加えて真菌・カビについて測定する。
◆ 実験方法
一般生菌と同様に真菌・カビの測定についても、日水製薬のコンパクトドライを用いて下記の手順で実施する。
・土壌20gをビーカーに投入し、滅菌希釈水180mLで10倍に希釈後スタイラーで撹拌する。
・半日放置後上澄液10mLを採取し、滅菌希釈水90mLを加えて原土壌を100倍に希釈する。
・さらに、滅菌希釈水で10倍に希釈して原土壌の1000倍希釈液を作成する。
・3種類の希釈液を各1mLコンパクトドライに滴下して所定環境にて菌を培養する。
・培養後に顕微鏡で菌のコロニー数を確認し、それぞれの希釈倍率を考慮して菌数を計算する。
測定手順
◆ 実験結果
真菌・カビ | 10倍希釈 | 100倍希釈 | 1000倍希釈 | 備考 |
オゾンなし土壌 | 菌過密により 測定不可能 |
2.5×103 cfu/g | 1.0×103 cfu/g | 菌数は希釈倍数を 考慮した換算後の数値を示す |
オゾン噴霧土壌 | 1.1×103 cfu/g | 未検出 |
◆ 結論
真菌・カビについて、オゾン水を噴霧した土壌のほうが菌数は半分以下という結果となった。
◆ 考察
真菌・カビは、オゾン水を噴霧することで56%削減という結果であった。サンプル抽出のバラツキを含めて測定誤差の範囲と考えることもできるため継続した測定が必要となるが、土中のカビに加えて果物表面のカビ削減にも効果が期待できる。