食品工場における蒸気復水の殺菌処理
◆ 課題
蒸気復水の貯蔵タンクに発生するバクテリア等の発生を抑制する方法について、貯蔵水をオゾン処理することにより効率的かつ高品質な殺菌処理システムの可能性を評価する。
◆ 実験方法
貯蔵タンクの水をビーカーに1000mL投入する。
そこにセラミックフィルタを用いてオゾンガスをバブリングさせた後殺菌効果を確認する。
ビーカー内のオゾン濃度は下記の4条件とする。
・0.05 ppm
・0.10 ppm
・0.20 ppm
・1.00 ppm
同時にオゾン殺菌処理前の貯蔵タンクの水も菌検査を実施する。
殺菌効果の確認は日水製薬のコンパクトドライ TC(一般生菌用)を用いて、35℃×48時間の培養後に生菌のコロニー数により評価する。
殺菌実験装置
◆ 実験結果
生菌群数 cfu/mL | 殺菌効果 | |
原水 | 71 | - |
0.05ppm殺菌 | 69 | 3% |
0.1ppm殺菌 | 42 | 41% |
0.2ppm殺菌 | 14 | 80% |
1.0ppm殺菌 | 0 | 100% |
◆ 結論
殺菌効果については0.2ppmで20秒間反応させることにより80%の殺菌を確認できた。
また1.0ppmで2分間反応させることで100%の殺菌効果を確認できた結果から推測すると、
一般的に知られるとおり0.5ppmで30秒間反応させることにより十分な殺菌があると考える。
参考情報として処理後のにおいについては、40~50%の脱臭効果が期待できると考えます。
◆ 考察
大量の沈殿物を混入させて実施した実験においては、オゾン処理濃度を1ppmの条件において、明らかに水の透明度がアップすることを確認した。
この現象は、微細な沈殿物が分解されたことにより、水中に浮遊する物質が減少したためと考える。ただし、サイズが大きい沈殿物まで分解するには大量のオゾンが必要となる。