ミネラルウォーターの殺菌実験
◆ 課題
ミネラルウォーターのボトル充填工程において、次亜塩素によるボトル等の殺菌・再洗浄する代わりに、ミネラルウォーター自体をオゾン殺菌して充填することにより、効率的かつ高品質な殺菌処理システムの可能性を評価する。
◆ 実験方法
殺菌処理前のミネラルウォーターをビーカーに1000mL投入する。
そこにセラミックフィルタを用いてオゾンガスをバブリングさせた後殺菌効果を確認する。
ビーカー内のオゾン濃度は0.05ppm・0.2ppm・0.5ppmの3条件でコントロールする。
さらに殺菌処理したミネラルウォーターを試飲し、味及び香りの変化を確認する。
参考情報として、オゾン殺菌処理まえのミネラルウォーターも菌検査を実施する。
オゾン水濃度は荏原実業製のオゾン水モニタEL-600を用いて測定を実施する。
殺菌効果の確認は日水製薬のコンパクトドライ TC(一般生菌用)を用いて、
35℃×48時間の培養後に生菌のコロニー数により評価する。
殺菌実験装置
◆ 実験結果
生菌群数 cfu/mL sample1 |
生菌群数 cfu/mL sample2 |
殺菌効果 | 味&香り | |
原水 | 25 | 23 | - | ほぼ無味・無臭 |
0.05ppm殺菌 | 0 | 0 | 100% | パネラー10人全員が におい変化を感じず |
0.2ppm殺菌 | 0 | 0 | 100% | パネラー1名が わずかにオゾン臭を感知 |
0.5ppm殺菌 | 0 | 0 | 100% | パネラー1名が 明確にオゾン臭を感知 |
◆ 結論
ミネラルウォーターの殺菌効果について、オゾン水濃度0.05ppmで十分な殺菌を達成した。
加えて、味や香りの変化も感じられなかった。
◆ 考察
原水において平均24cfu/mLの一般生菌が検出されたことについて、水をビーカーに移してからマイクロピペットで培地に採取したため、ビーカーに菌が付着していた可能性も否定できない。
ただ、殺菌後のサンプルも同様の操作をしているため、殺菌効果は明確であると考える。