糖液の脱臭・脱色実験
課題
糖液から発生する臭気が問題となっている。
加えて、糖液をオゾンでどれだけ脱色できるのかを確認したいという依頼があり、 糖液にオゾンを添加することによる脱臭・脱色効果を評価する。
◆ 実験方法
ビーカーに温水を投入し、オゾンガスをバブリングさせる。
撹拌しながら糖液を溶解する。
オゾンをバブリングしないで溶解した場合とのにおいの差を評価する。
脱臭効果の確認は、臭気をにおい袋に回収し、臭覚を用いた臭気簡易評価法(二点比較式臭袋法)による臭気濃度の測定結果を用いて評価する。
参考としてニオイセンサによる測定も実施する。
脱臭効果 = 1- ( 脱臭後の臭気濃度 ÷ 原臭気の臭気濃度 )
実験装置・実験手順
◆ 実験結果
脱臭効果については下記の結果を得た。
また、常温の状態で糖液のにおいをかいだ感覚としては、オゾンなしだとほのかに甘い香りがしたのに対して、オゾン脱臭したものはほとんど無臭の状態である。
官能臭気濃度 | ニオイセンサ | 脱臭効率 | 備考 | |
オゾンなし | 20 | 100 | - | ほのかに甘い香り |
オゾン投入 | 1 | 50 | 95% | ほとんど無臭 |
◆ 結論
糖液の脱臭に対してオゾンが良好に反応することが確認できた。
加えて脱色の効果も確認した。
◆ 考察
糖液の脱臭および脱色に対してオゾンが有効であることは確認できたが、実際の製造工程においていかに効率よくオゾンを反応させることができるかが今後の課題である。