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オゾンラボ

FILE
106

きのこ殺菌工程の排水脱臭

◆ 課題

FILE105において紹介した殺菌工程の排気脱臭実験に関連し、蒸気排水における臭気成分の除去方法について、オゾン処理による除去(脱臭)効果を評価する。

◆ 実験方法

蒸気処理槽の排水を三角フラスコに入れてオゾンガスをセラミックフィルターを用いて所定時間バッキ処理(バブリング)することにより、臭気成分をオゾンにより分解除去する。
次に100℃で湯銭し、そこに空気を吹き込むことにより、臭気成分を強制揮発させる。
バッキ時間を変更してオゾンバッキによる臭気成分の分解除去効果を確認する。
※参考情報として、バッキなしの臭気も確認する。

脱臭効果の確認は、臭気をにおい袋に回収し、臭覚を用いた臭気簡易評価法(二点比較式臭袋法)による臭気濃度の測定結果を用いて評価する。
加えて、参考としてに加えてニオイセンサによる測定も実施する。

◆ 脱臭実験装置

◆ 実験結果

バッキ処理 5L/min
100℃湯銭で臭気揮発
臭覚評価
臭気濃度
ニオイセンサ
LEVEL値
脱臭効果 備 考
原排水の臭気 10000 990 強烈なにおい
バッキ1分後の臭気 5000 890 50%  
バッキ2分後の臭気 4600 860 54%  
バッキ5分後の臭気 4400 850 56%  
バッキ10分後の臭気 4400 850 56%  

◆ 結論

きのこ殺菌工程における蒸気排水の臭気成分に対して、オゾンをバッキすることにより、 50%~60%の脱臭効果を達成できると考える。

100mLの排水に対して必要なオゾン量は10mg(処理風量10L)と考える。
従って、蒸気槽からの排水が10L/hの場合、1g/h(1m3/h)程度のオゾン投入が必要となる。
ただし、排水とオゾンの混合効率を向上させることでオゾン量は削減できる可能性は高い。

◆ 考察

排水にオゾンガスをバブリングすることにより臭気を分解除去できる可能性は高いが、バブリングにより排水中の臭気を単純に揮発させている部分も除去効率に含まれている。

さらに排水量が多くない状況を考えると、排気の脱臭処理用に設置を提案しているアクアオゾン処理システムに排水を投入することにより排水の脱臭対策とするのが適切と判断する。

従って、蒸気処理工程で発生する排気と同時に、蒸気排水もアクアオゾン処理システムにより脱臭処理するシステムの検討をお勧めしました。