ホルマリンの脱臭実験Ⅱ
◆ 研究課題
前回の実験(FILE095)において、オゾン分解触媒により高濃度なホルマリンを吸着できることを確認した。しかし、短時間で吸着が飽和状態になり、ホルマリンの吸着効果は低下した。 この結果を考慮し、今回はオゾンランプと分解触媒の組み合わせにより、ホルマリン吸着効果を向上させることができるかを確認する。
◆ 実験方法
・ホルマリン水溶液中で空気をバブリングさせることで強制的に揮発させる。
・分解触媒を設けたオゾンランプユニットにホルマリンを供給する。
・オゾンランプOFFで分解触媒なしにおけるホルマリン濃度を測定する。
・オゾンランプONで分解触媒ありにおけるホルマリン濃度を測定する。
・オゾンランプユニットの処理風量を変化させてホルマリン濃度の変化を確認する。
◆ 実験結果< 処理風量による変化 >
◆ 実験結果< 処理風量による能力復帰 >
◆ 結論
オゾンランプユニットにおける処理風量が60L/min以下においては、長時間にわたりホルマリン濃度は0ppmを達成した。前回の分解触媒のみによる吸着実験の結果における吸着飽和量を超えても0ppmを示していることより、明らかにオゾンによるホルマリンの分解除去ができていると判断する。
また、80L/minの実験においても分解触媒のみの吸着よりもホルマリン濃度が低い結果からも、オゾンによりホルマリンが分解除去されていることは明らかである。
◆ 考察
処理風量が多い状況においては、分解触媒のホルマリン吸着が飽和状況になってしまい、徐々にホルマリンの濃度が高くなる。その後、処理風量を低くすることにより、少しずつではあるがホルマリン濃度が低下していくことから、継続してホルマリンを供給し続けても、すでに触媒に吸着されたホルマリンは分解除去や自然排出されると考える。