メントール系の香料に対する脱臭実験
◆ 研究課題
前回のFILE091で紹介したミント系の香料に加えて、メントール系の香料に対する脱臭効果はどうかという相談を受け、アクアオゾンによる脱臭の可能性を確認する。
◆ 実験方法
・固形サンプルと所定量の水を三角フラスコに投入し、沸騰させて溶解する。
・サンプル液を保温状態にして、三角フラスコに空気を送り込むことで臭気を発生させる。
・三角フラスコから脱臭前の原臭気を回収し臭気濃度を測定する。
・次に所定濃度のオゾンを空気と一緒に三角フラスコに供給することにより、臭気をオゾン
分解し、その脱臭後の臭気濃度を測定する。
・また、水を入れた三角フラスコに原臭気のみを供給し、水中バブリングすることにより
水吸着脱臭後の臭気濃度を測定する。
・さらにオゾンを供給して水吸着とオゾン分解による複合脱臭(アクアオゾン方式)後の
臭気濃度を測定する。
・臭気濃度の測定については、ニオイセンサーと簡易式臭覚測定を実施する。
※ 簡易式臭覚測定とは、臭気をにおい袋に回収し、活性炭を通過させた無臭空気で所定倍率に
希釈した状態で臭いを嗅ぎ、臭いが感じなくなった希釈倍率をその臭気の臭気濃度とする。
◆ 実験結果
臭気サンプル 固形メントール |
ニオイセンサー | 簡易式臭覚測定 | 脱臭率 (平均) |
LEVEL値 | 臭気濃度 | ||
原臭気 | 900 | 100 | - |
10ppm オゾン脱臭 | 860 | 60 | 40% |
水中バブリング | 850 | 55 | 45% |
アクアオゾン方式 | 820 | 50 | 50% |
◆ 結論
メントール系の香料から発生する臭気はオゾン分解しにくいため40%程度の脱臭効果であり、水中バブリングだけで約45%の脱臭効果を確認した。
さらにオゾンと水吸着の複合脱臭(当社アクアオゾン方式)により、50%の脱臭効果が確認できた。
◆ 考察
今回のメントール系の香料に対する脱臭効果については、当社のアクアオゾン脱臭システムにより50%程度の脱臭効果を得られる可能性が高いと判断する。
臭気成分にもよるが、一般的に人が感覚的に明らかな脱臭効果を感じられるのは80%以上の脱臭効果が必要と言われる。
従って、脱臭目的と期待される脱臭効果の協議が必要と考える。例えば、悪臭防止法の臭気対策が目的であれば効果的に脱臭できると判断する。