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オゾンラボ

FILE
089

ゴムシート成形工場の排気脱臭

◆ 研究課題

ゴムシートの成形工場の加熱ラインで発生する煙と臭気の除去方法について、オゾン分解・水吸着・電気集塵の実験装置による脱臭効果を確認する。

◆ 実験方法

ゴムシートをカットして加熱し、臭気と煙を発生させ、脱臭実験ユニットに吸引する。
その臭気とオゾンを反応させることにより脱臭効果を確認する。
次に水中バブリングさせることによる脱臭と煙削減効果を確認する。
参考情報として、水中バブリングだけによる除去効果も確認する。
さらに電気集塵により煙も除去効果と脱臭効果を確認する。
脱臭効果の評価は、ニオイセンサーと官能試験による臭気測定を実施する。

脱臭実験ユニット脱臭実験ユニット

ゴムシート加熱による臭気発生
ゴムシート加熱による臭気発生

◆ 実験結果

 

臭気:2L/min
希釈:20L/min
ニオイセンサ 官能評価 脱臭率
(平均)
備考
LEVEL値 臭気濃度 臭気強度 臭気濃度
原臭気 870 790 5 800 -  
オゾン分解 840 550 5 600 28% 臭いの質が変化
水吸着 630 160 4 150 81% 煙が少し減少
水吸着+オゾン 680 200 4 200 75% 臭いの質が変化
上記+電気集塵 740 270 4 250 67% 煙はほぼなし

◆ 結論

ゴムシートの加熱成形で発生する臭気に対して、オゾン分解による大きな脱臭効果は期待できない。オゾンと水吸着による脱臭効果は70~80%レベルと考える。
加熱成形により発生する煙は電気集塵でほぼ除去できたが、脱臭効果は67%となった。

◆ 考察

今回の臭気については、オゾンとの反応により臭気の質が変化する結果となった。
水吸着とオゾンの組み合わせにおいては、水吸着単独での脱臭後の臭気よりも強く感じた。
さらに、電気集塵装置で煙を除去したときのほうが、脱臭効果が低下する結果となった。
これらの要因については理解できておらず、今後の課題である。