焼却炉の煙対策
◆ 研究課題
高効率の焼却炉を開発製造するメーカーから、焼却作業で発生する煙を処理できないかという相談を受け、FILE 010やFILE074で紹介した樹脂成型工場で発生する煙を電気集塵装置で除去した実績から、実際に焼却炉を設置している客先でデモ機を用いた実験により煙削減効果の評価をしていただきました。
◆ 実験方法
焼却炉の煙突部分から煙をデモ機に回収するためのフレキダクトを設置する。
集塵装置の入口に吸引ファンを設け、焼却炉から発生する煙を通過させる。
電気集塵装置のON/OFFによる煙の差を比較して煙除去効果を評価する。
◆ 実験結果
下記写真のとおり、集塵装置の電源OFF時には装置を通過した煙が出口から排気されるが、電源ONにより目視では確認できないレベルまで除去される。
集塵装置電源ON/OFFの差異が判りやすい動画をご覧ください。
◆ 結論
集塵装置により焼却炉から発生する煙を確実に除去(吸着)できることを確認できたため、実際の装置に適合する集塵装置の設計を依頼していただきました。
◆ 考察
今回は小型のデモ機による実験だったため、焼却炉から発生するすべての煙を除去することはできなかった。ただし、部分的に回収した煙は集塵装置を通過させるだけで、目視確認できないレベルまで確実に除去(吸着)できることは確認できた。今後は焼却炉から発生する煙の量を除去できる処理性能の集塵装置を検討する。