硫化水素の除去実験
◆ 研究課題
排気に含まれる硫化水素が問題となっているが、その除去方法としてオゾンを用いた除去効果および水中バブリング(擬似アクアオゾン)による除去効果を確認する。
◆ 実験方法
硫化水素の粉末を皿に取って加熱することによりガスを発生させる。
そこにオゾンを接触反応させたサンプルを回収して硫化水素の濃度を測定する。
次に、そのガスを水中バブリングさせたサンプルを回収して硫化水素の濃度を測定する。
加えて比較のために、オゾンを供給しない状態での硫化水素除去レベルも確認する。
濃度測定はガス検知管により実施し、濃度差により除去率を評価する。
オゾン接触による除去実験
オゾン接触&水中バブリングによる除去実験
◆ 実験結果
実験条件 | 硫化水素濃度 | 除去率 | |
硫化水素揮発 | 粉末を加熱 | 13ppm | - |
オゾン接触除去 | オゾン 40ppm | 6ppm | 54% |
オゾン 20ppm | 7ppm | 46% | |
水中バブリング | オゾンなし | 2ppm | 85% |
オゾン 10ppm | 0.5ppm | 96% |
◆ 結論
オゾンによる硫化水素分解は排気風量に対するオゾン濃度が3倍(硫化水素13ppmに対してオゾンが40ppm)レベルでの除去効果は50%であり、オゾンにより短時間で硫化水素を分解除去することは困難と判断する。
次に水中バブリングにより硫化水素を80%以上除去できることを確認した。
加えてオゾンを併用した水中バブリングでは90%以上の除去効果を得た。
当社のアクアオゾンシステムにより同等の硫化水素除去が可能と考える。
◆ 考察
水中バブリングによる硫化水素の除去効果については、水の交換により除去効率は安定して確保できると考えるが、排水処理の必要性が課題となる。