オゾン+分解触媒によるホルマリン削減
◆ 研究課題
病院関係のお客様より、施設内のホルマリンを除去したいので何か良い方法がないか というお問い合わせがありますが、オゾンでホルマリンを分解除去することは困難であることが知られています。
しかし、近年オゾンとオゾン分解触媒を用いてホルマリン除去ができるという研究成果が発表されていますので、その除去効率を実験で確認し、実用化の可能性を評価します。
◆ 実験方法
ホルマリン水溶液を三角フラスコに入れ、空気を送り込むことで安定した濃度で揮発させ、そこにオゾンを接触反応させた排気サンプルを回収し、ホルムアルデヒドの濃度を測定する。
次に、排気をオゾン分解触媒に通過させ、そのサンプルを回収してホルムアルデヒドの濃度を測定する。濃度測定はガス検知管により実施し、濃度差により除去率を評価する。
オゾン分解の実験システム構成
◆ 実験結果
実験条件 | ホルムアルデヒド濃度 | 除去率 |
ホルマリン揮発排ガス | 25ppm | - |
排ガス+オゾン処理 | 24.4ppm | 2% |
排ガス+分解触媒通過 | 2.6ppm | 90% |
オゾン処理+分解触媒通過 | 2.5ppm | 90% |
オゾンにより短時間でホルマリンを分解除去することは困難です。
オゾン分解触媒によりホルマリンを90%程度除去することは可能と考えます。
ただし、触媒表面での吸着除去の可能性も否定できないため、除去効果の寿命について課題が残ります。