酵母製造の排気に含まれるアセトアルデヒドの除去
◆ 研究課題
酵母製造メーカーから排気に含まれるアセトアルデヒドが問題となっており、その除去方法として燃焼処理を検討したが、数千万円の設備導入に加えて処理コストも非常に高額になるため、効率よく処理できる方法はないか という問い合わせをいただきました。
対策案として、既設の排気処理設備にオゾンガスを投入することでアセトアルデヒドを分解除去できる可能性を提案し、システム設計のために除去効率の確認と必要オゾン量の評価を実施しました。
◆ 実験方法
酵母製造ラインの排水を工場内と同等の80℃に加熱した状態でバブリングすることにより強制的にアセトアルデヒドを揮発させる。
その排気をオゾンと接触させることによりアセトアルデヒドを分解する。
アルデヒド除去効果の評価は、オゾン分解の有/無の濃度をガス検知管により測定し、その除去率を算出することにより実施する。
オゾン分解の実験システム構成
◆ 実験結果
実験条件 | アセトアルデヒド濃度 | 除去率 | |
排水加熱 + バブリング |
|||
オゾン供給なし | 16ppm | - | |
オゾン 5ppm | 14ppm | 13% | |
オゾン 10ppm | 4ppm | 75% |
◆ 結論
オゾンによるアセトアルデヒド分解は既設の排気処理設備内で短時間で処理できます。
排気風量に対するオゾン濃度が10ppmレベルでの脱臭効果は70 ~ 80%と考えます。
既設の排気風量240m3/min(アセトアルデヒド濃度=2.1ppm)に対して必要なオゾン量は40 ~ 60 g/hと推測します。
数百万円で設備が導入でき、かつ処理コストも電気代のみで、非常に魅力的なシステムなので前向きに導入を検討したいというお言葉をいただきました。