お茶およびコーヒーかす貯蔵庫の脱臭
◆ 研究課題
お茶やコーヒーなどの飲料メーカーから、お茶およびコーヒーを抽出したかすを一時的に保管するタンクからの臭気が問題となっているが、大掛かりな設備改修をすることなく脱臭できる方法はないか という問い合わせを受けました。
そこで、貯蔵タンクに直接オゾンを投入することにより、タンクから流出する臭気を脱臭する方法を提案し、その脱臭効果を確認してもらいました。
◆ 実験方法
抽出かすをビンにつめた状態で空気を供給することにより強制的に臭気を排気させる。
次に供給する空気にオゾンを混入させた状態で、同じように強制的に排気させる。
オゾン混入の有無に対する脱臭効果と必要なオゾン量を評価する。
臭気の評価は、原臭気と脱臭後の臭気に対して、それぞれニオイセンサーと官能的臭気強度
および臭気濃度換算結果により実施する。
脱臭実験のシステム構成
◆ 実験結果
ニオイセンサ | 臭気強度 | 臭気指数 | 臭気濃度 | 脱臭効率 | オゾン混入 | |
お茶かす | ||||||
480 | 4 | 28 | 650 | - | なし(原臭気) | |
380 | 3.5 | 25 | 350 | 46% | 1ppm | |
340 | 3.5 | 24 | 270 | 58% | 3ppm | |
310 | 3.5 | 23 | 210 | 68% | 5ppm | |
コーヒーかす | ||||||
440 | 4 | 25 | 330 | - | なし(原臭気) | |
360 | 3.5 | 23 | 195 | 41% | 1ppm | |
320 | 3.5 | 21 | 140 | 58% | 3ppm | |
250 | 3 | 19 | 85 | 74% | 5ppm |
◆ 結論
お茶およびコーヒーかすの貯蔵タンクにオゾンを供給することにより、タンクから流出する臭気は脱臭できると考えます。
保管タンクの容積に対するオゾン濃度5ppmレベルでの脱臭効果は70~80%と判断します。
既設のタンク容積を約20m3として、脱臭に必要なオゾン量は15~25g/hと推測します。