化学分析センターのヘキサン排気脱臭
◆ 研究課題
前回(オゾンラボFILE057)のアセトンにおいて良好な脱臭効果を得たため、追加でn-ヘキサンも効率よく脱臭できるのかという問い合わせを受けました。
前回と同様、水吸着とオゾン分解による脱臭技術の有効性を確認しました。
◆ 実験方法
分析工程で使用するn-ヘキサンを提供していただき、バブリングにより臭気を再現する。
その臭気を吸引してオゾンと接触させることにより臭気の分解脱臭を実施する。
次に水吸着による脱臭効果の確認実験を実施する。
臭気の評価は、原臭気と脱臭後の臭気に対して、それぞれニオイセンサーと官能的臭気強度および簡易的な臭気濃度測定により実施する。
強制的に臭気を発生させ、臭い袋に回収してオゾンガスと反応
発生させた臭気を水中バブリングして吸着脱臭
◆ 実験結果
ニオイセンサ | 臭気強度 | 臭気濃度 | 脱臭効率 | 備考 | |
原臭気 | 1150 | 5 | 5500 | - | 強烈な臭い |
オゾン分解 | 1100 | 5 | 4200 | 24% | 強烈な臭い |
水吸着脱臭 | 700 | 3.5 | 700 | 87% | 強いにおい |
◆ 結論
実験結果より、アセトンと同じくn-ヘキサンの臭いをオゾンのみで分解することは困難ですが、水吸着による脱臭効果は高いと判断します。
ただし、n-ヘキサンを吸着した水を二次処理する方法の検討が必要であり、オゾン水分解処理の可能性を実験する必要があります。