厨房排気の臭気測定
◆ 研究課題
当社の脱臭システムを導入していただいたお客様から、長期間使用しているが現状の脱臭効果の評価をしてほしいという依頼を受けることがあります。当社では臭気判定士による正式な臭気判定プログラムも提供させていただいていますが、今回は簡易的で良いので何か方法はないかという相談を受けた事例を紹介します。
◆ 判定方法
臭気を簡易的に評価する方法として、ニオイセンサーを活用します。
ニオイセンサーは臭気成分により表示結果が異なりますので、成分の異なる臭気を定量的に比較するのは難しいのですが、今回のように同じ種類の臭気に対する脱臭装置の前後の差異を判定する場合には有効な手段と考えています。
今回も上記内容をお客様に了解していただいたうえで判定を実施しました。
◆ 工場屋上( 厨房排気 )の脱臭効率に関する測定結果
天候:晴れ 気温:18℃ 風速:微風
測定器:新コスモス電機製 ニオイセンサー XP-329ⅢR
臭気測定位置 | ニオイセンサー測定結果(臭気排出口) | ||||
LEVEL表示 | 平均値 | 臭気濃度 | 臭気指数 | ||
① | 臭気指数 | 430~360 | 400 | 158 | 22 |
② | 排気ダクト内(脱臭前) | 850~810 | 830 | 1585 | 32 |
脱臭効率 = 1 -( 脱臭後の臭気濃度 / 脱臭前の臭気濃度 )= 1 -( 158/1585 )= 90%
◆ 結論
お客様の地域で定められた悪臭防止法の臭気指数規制2号基準(排出口の臭気指数)を
下回っています。
◆ 参考
1号基準(敷地境界線)の臭気指数=10以下
2号基準(排出口の高さが15m未満)の臭気指数の計算方法(お客様の市が定めた計算式)
I = 10 × logC
C = K × Hb② × 10B
B = L / 10
( I :排出ガスの臭気指数)
( K :排出口サイズに応じた定数)
( Hb :周辺建物の高さ)
( L :1号基準の臭気指数)
排出口のサイズ:直径60cm以上 ~ 90cm未満( K = 0.2 )
近接の建物高さ = 10m( Hb2 = 100 )
I = 10 × log( 0.2 × 100 × 10 )= 23