果物より発生するエチレンガス対策
◆ 研究課題
果物などを一時的に貯蔵保管する場合に、果物からエチレンガスが発生し、鮮度に悪影響する場合があります。今回はそのエチレンガスをオゾンにより分解できないかどうかの実験をしました。同時に果物のカビ発生や切花などの鮮度維持に対する効果も評価しました。
◆ 研究方法
テスト装置としては、果物と切花を同じ条件で2個の透明ケースに保管し、片方には一定濃度を保つようにオゾンを供給しました。その状態で数日間にわたり状態の変化を観察しました。
実験結果
2日後 | 4日後 | 6日後 | 8日後 | 10日後 | ||
ケース A オゾン 供給 |
オゾン濃度 | 0.1ppm | 0.1ppm | 0.1ppm | 0.1ppm | 0.1ppm |
エチレン濃度 | 0.0ppm | 0.0ppm | 0.0ppm | 0.0ppm | 0.0ppm | |
果物の状態 | 切口が乾燥 | 切口が乾燥 | 切口が乾燥 | カビ発生 | カビ増殖 | |
切花の状態 | ○ | ○ | 花びら乾燥 | 落花の傾向 | カビ発生 | |
ケース B オゾン なし |
オゾン濃度 | 0.0ppm | 0.0ppm | 0.0ppm | 0.0ppm | 0.0ppm |
エチレン濃度 | 0.5ppm | 0.8ppm | 1.0ppm | 0.5ppm | 0.2ppm | |
果物の状態 | 切口が乾燥 | カビ発生 | カビ増殖 | カビ増殖 | 液状化 | |
切花の状態 | ○ | カビ発生 | 落花の傾向 | 落花 | 落花 |
実験結果
実験4日後 | |
ケース A オゾン 供給 |
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ケース B オゾン なし |
実験8日後 | |
ケース A オゾン 供給 |
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ケース B オゾン なし |
◆ 研究課題
エチレンガス対策として、オゾンにより確実に分解除去できることが確認できた。
また果物や切花の鮮度維持に関しては、サンプルの個体差も否定できないが、完熟・液状化や落花の進行状態を考慮して、オゾンによる効果も期待できると考える。
加えて、カビ発生の抑制についてはオゾンによる明確な効果が得られた。