オゾンによる河川の浄化作用
◆ 研究課題
淀川の水質浄化にオゾン処理が有効かどうかを評価するため、河川の水をオゾン処理することにより水質がどのように変化するかを確認する。
◆ 研究ポイント(ちょっとした工夫)
河川の浄化手段としては一般的に河川水に空気をバブリングする方法が知られており、過去の事例でも河川水にオゾンガスをバブリングした研究報告もあります。この方法では、浄化作用の効果はありますが、上水道のオゾン処理と同様に大量に発生する余剰オゾンガスを分解処理する手段が必要となるため、実用化には至っていない状況です。
そこで今回は河川水にオゾン水を混合することによる浄化効果を確認します。当社のオゾン水製造技術においては気液混合効率を極限まで向上させた結果、余剰ガスの排出は非常に少ない結果を得ていますので、大掛かりな余剰ガスの処理装置は必要ありません。河川の水質についてはCODの測定により評価します。
実験方法としては、河川水800mLに200mLのオゾン水(濃度1ppm)を投入し、河川水のCODの削減量を測定する。
実験結果
COD値 | pH値 | 水温 | 水量 | |
淀川の河川水 | 5.0 mg/L | 6 | 20℃ | 800ml |
オゾン水 | 1.0 mg/L | 6 | 19℃ | 200ml |
オゾン投入10秒後 | 3.0 mg/L | 6 | 20℃ | 1000ml |
オゾン投入30秒後 | 2.5 mg/L | 6 | 20℃ | 1000ml |
オゾン投入1分後 | 2.0 mg/L | 6 | 20℃ | 1000ml |
オゾン投入2分後 | 2.0 mg/L | 6 | 20℃ | 1000ml |
◆ 研究成果
オゾン処理により、河川水に含まれる有機物質とオゾンが数秒単位で反応し、浄化していると判断する。また、河川水に投入するオゾン量の10倍以上のCODを削減できる結果を得た。
この結果は、ビーカーテストによる測定誤差などを考慮しても、オゾン水による河川の浄化は期待できるものと考える。