樹脂成型工程で発生するVOC対策
◆ 研究課題
樹脂成型工程で発生するVOC除去技術としては一般的に燃焼方式が知られているが、設備が大型になり、燃料コストも高くつくなどの課題も多く、環境にやさしいVOC処理技術が望まれている。その解決策としてオゾン処理によるVOC分解の可能性を評価した。
◆ 研究ポイント(結論)
実験結果において、オゾン+水吸着+分解触媒によるVOC除去は有効と判断する。
今回使用した樹脂サンプルで発生させたVOCに対しては非常に高い除去率を達成したが、あくまでも一例であり、今後いろいろな原料に対する実験を実施したい。
サンプル | 再現VOC | 実験方法 | ||
オゾン+触媒 | 水吸着+触媒 | オゾン+水+触媒 | ||
VOC測定値 | 1500ppm | 120ppm | 60ppm | 15ppm |
VOC除去率 | - | 92% | 96% | 99% |
参考臭気濃度 | 3000 | 1000 | 250 | 150 |
脱臭効率 | - | 67% | 92% | 95% |
※ VOC濃度の測定はヤナコテクニカルサイエンス社製 EHF-770Vを用いて測定した。
◆ 実験方法
サンプル樹脂の加熱によりVOCを発生させ、下記実験におけるVOC濃度を測定する。
実験A(オゾン分解+分解触媒による実験)
・再現したガスとともにオゾンを反応BOXに供給した後、分解触媒で処理する。
・オゾン分解触媒ユニットの排気口においてVOC濃度の測定を実施する。
・同時に排気部分の臭気をニオイセンサーで測定するとともに、直接においをかいで
官能評価も実施し、その結果から参考臭気濃度を算出する。
実験B(水吸着+分解触媒による実験)
・再現したガスのみを反応BOXに供給して水中バッキした後、分解触媒で処理する。
・上記と同様にVOCと臭気を測定する。
実験C(オゾン分解+水吸着+分解触媒による実験)
・再現したガスとともにオゾンを反応BOXに供給して水中バッキした後、分解触媒で処理する。
・上記と同様にVOCと臭気を測定する。