製糖工場における糖液タンク殺菌
◆ 研究課題
製糖工場において糖液貯蔵タンクの殺菌にはUVランプを用いているが、光が届かない部分の殺菌効果に不安があった。そんな時にオゾンガスによる殺菌であれば配管の隅々まで確実に殺菌できているという情報を同業他社から聞いたのだが、貯蔵タンクの糖液は頻繁に貯蔵量が変化するため、そのような状況で安定した殺菌を達成するためのオゾン濃度のコントロールは可能なのかどうか教えてほしい という相談を受けました。
◆ 研究ポイント(ちょっとした工夫)
まず最初に、同業他社というのは当社のオゾンシステムを導入していただき、高レベルの殺菌効果に満足していただいているお客様で、そこが今回のお客様に当社を紹介していただけたという状況でした。
オゾンによる殺菌は、気体が入り込めるところであれば確実に殺菌ができますし、過剰なオゾンを供給しても糖液の品質に問題を与える心配もありません。ただし、可能な限り必要最小限のオゾン供給による殺菌制御は、投資対効果の観点から重要なことであり、当社のノウハウを駆使してお客様に適切なオゾンコントロールを提供しています。
オゾンコントロール
基本的には、糖液タンクの容積変動に応じて殺菌のためのオゾン濃度をどのレベルでコントロールするかです。加えて、時間とともにオゾン自身の分解する条件をどのように組み込むかで決まります。
今回のお客様の環境を確認させていただき、下記グラフのような糖液入替時の初動殺菌は強くし、長時間の貯蔵段階では濃度を抑えるオゾンコントロールを提案しました。
◆ 研究成果(お客様への貢献)
同業他社での実績に加えて、事前にオゾン制御の理論も把握できたことで安心してオゾン殺菌を導入することができるというお言葉をいただき、すぐに導入していただいた結果、現在は既設のUV殺菌は使用せずに、オゾン殺菌だけで十分に満足しているという報告をいただきました。
加えて別棟のタンクへの追加導入も決定していただきました。