洋菓子工場の排水処理<Ⅱ>
◆ 研究課題
file029で紹介した洋菓子製造会社のお客様から、新築している工場の製造ラインでは抹茶クリーム以外にチョコムースやプリンの洗浄排水も含まれており、薬品による排水処理で設計していたが、沈殿物の二次処理も必要であり、これもオゾン処理で解決できれば非常にありがたいので、ぜひ実験してもらい、またその実験に当社の代表も立ち会いたい という相談を受けました。
◆ 研究ポイント(ちょっとした工夫)
チョコムースやプリンの排水は抹茶クリームに比べてさらに粘度が高く、簡易的にオゾン処理したときの泡立ちも激しい状況でした。そこで効率よいオゾン混合と消泡方法の改良が必要となりましたが、当社の水処理技術を駆使し、連続的な排水処理を可能とし、沈殿物を極力発生させることのない脱色・脱臭処理の可能性を評価する実験に、お客様も立ち会っていただきました。
実験方法
基本的には抹茶クリームの実験と同様に、排水を所定の粘度になるように希釈し、それにオゾンを効率よく混合させます。
オゾン処理で発生する泡は処理水のシャワーで撹拌しながら液化するようにして消泡します。
オゾン処理前後の色、沈殿物、においの変化を評価します。
きれいになった排水を次の希釈に利用することで排水量の少ない連続処理を達成します。
◆ 研究成果(お客様への貢献)
実験サンプル数と実験時間の関係で十分な脱色効果までは確認できませんでしたが、お客様は実際の実験に立ち会い、いろいろな材料に対してオゾン処理が有効で、沈殿物がほとんど発生しない排水処理の可能性を確認することができたため、来月完成する新築工場の排水処理もオゾンシステムに設計変更するというお言葉をいただき、実際に施工業者との設計変更協議にも参加させていただきました。