石鹸のニオイ対策
当研究室では客先に機器を持ち込み、実際に問題が発生している現場にて実験を行い、当社システムを採用していただいた場合の効果を、事前に確認してもらう取り組みも実施しています。
今回はその一例を紹介します。
◆ 研究課題
物流倉庫に石鹸を保管しているエリアから、石鹸のニオイが廊下から事務所にも流れ込んで困っているのだが、このニオイを除去する方法はないか?という相談を受けました。
石鹸のニオイなので基本的にはさわやかな香りなのですが、常時その香りの中で仕事をしているとやはり苦痛になるようです。
◆ 研究ポイント(ちょっとした工夫)
問題となっている石鹸のニオイを、オゾンにより分解消臭できるかどうかを現場で実証することに対して、廊下には倉庫より常に強いニオイが流れ込んでいるため、多くのオゾンを供給する必要があります。ただし、オゾンを供給する廊下や事務所には常時作業者が滞在しているため、単純に多くのオゾンを直接噴霧することはできません。そのため今回の脱臭方法としては、循環式の脱臭装置で対応する方法を提案しました。
循環式の脱臭方法とは、装置内に室内の空気を吸引し、装置内でオゾンと接触させ、ニオイを分解消臭します。加えて装置の出口では、オゾン分解触媒により脱臭反応を促進するとともに、オゾンを酸素に戻し、脱臭処理した空気を室内に戻す構造になっています。
(今回使用したオゾン脱臭装置[SAT-5TIHDN])
上記の装置を廊下に設置することで、倉庫から廊下に流れ込むニオイを脱臭し、その結果として、事務所のニオイもなくすことを提案しました。廊下の広さと、倉庫から流れ込むにおいの強さを考慮すると、3~4台の脱臭装置を設置する必要があると判断しましたが、デモとしては1台の装置をにおいが強い廊下奥に設置し、ニオイの変動を確認してもらうことにしました。
測定場所 | 臭気強度 | 臭気濃度換算 | 脱臭効果 | 臭いの感じ方 | |
階段フロアー | 脱臭前 | 3.5 | 40 | 38% | 少し強いにおい |
脱臭後 | 3 | 25 | 楽に感知できるにおい | ||
廊下奥 | 脱臭前 | 3.5 | 40 | 38% | 少し強いにおい |
脱臭後 | 3 | 25 | 楽に感知できるにおい |
◆ 研究成果(お客様への貢献)
1台の脱臭装置でも明らかなニオイの減少が確認でき、オゾンなどのニオイもないことが確認していただけました。加えて、1台でこれだけの脱臭ができたので、3~4台の設置が適切という提案にも同意いただき、安心して脱臭装置の導入について前向きに検討するというお言葉をいただきました。