水温とオゾン濃度
今回はオゾン水の特性に関する実験結果を紹介します。 オゾン水は放置すると短時間でオゾン濃度が低下することが知られていますが、水温によりその時間が変化します。
◆ 研究課題
オゾン水とは、水中にオゾンガスが微細な気泡として存在している状態を意味します。 従って、水中に滞在するオゾンガス気泡の粒径によって濃度低下の時間は影響されます。 気泡が小さければ小さいほど水中でのオゾン滞留時間が長くなり、水中のオゾン濃度も低下しにくくなります。
最近の研究ではファインバブルと呼ばれるナノレベルの気泡により数週間から数か月にもおよび水中に気泡が滞留させることも可能となりましたが、残念ながらオゾンは自然分解してしまうためオゾンバブルとしては存在しません。
今回は、気泡粒径の影響ではなく、別因子である水温による濃度変動への影響レベルを実験しました。
◆ 実験結果
オゾン水生成時のオゾン濃度の上昇に関して、水温を下げることにより濃度の上昇時間は短くなり、実験では21℃に比べて8℃では到達濃度も20%ほどアップしました。
また、オゾン濃度の減少に関しては、逆に水温が低いほうが濃度低下の時間は長くなり、実験では21℃に比べて8℃ではオゾン濃度の半減期(濃度が半分になるまでの時間)は30分から50分へと約1.7倍に長くなる結果を確認しました。