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当研究室では脱臭方法や殺菌技術に関する研究・実験をしていますが、お客様が困っている実際の現場を訪問して問題の環境を把握し、そこで回収したサンプルを利用して現場に近い環境を再現した実験をすることにより、リアルな対策効果を実証しています。
今回はその実験に一緒に参加してもらった一例を紹介します。

◆ 研究課題（お客様の悩み）

製菓工場において、商品に添加する各種フレーバーの臭いが排気に含まれているため、工場周辺における臭いが気になり、いろいろな脱臭方法を検討していて、脱臭効果を期待できる脱臭装置はあるのだが、高額な投資が必要であるにもかかわらず脱臭効果を保障してくれないので困っている。なにか確実な脱臭方法はないものか？・・・という問い合わせを受けました。

◆ 研究ポイント（ちょっとした工夫）

まずは、どのようなにおいがどれくらい排出されているのか？・・・脱臭方法を検討するためには、対象となるにおいの性質（においの強さや排出風量）を把握する必要があります。
実際に現場を確認させてもらうと、製菓工場のにおいでは当然のことですが、悪臭ではなく美味しいにおいでした。直感的に水に吸着されやすいにおいと感じましたので、当社のアクアオゾンシステム（湿式スクラバー型脱臭装置の改良型）の導入が適していると判断し提案しました。
次に問題となるのが、脱臭効果の保障です。それを解決する方法として、実際のサイズの脱臭システムを用いて事前に効果を確認してもらうことは困難ですので、研究室に擬似的な脱臭装置を設置し、現場と同じにおいを再現した状況で脱臭効果を確認してもらうことを提案しました。
我々の提案に対するお客様の反応は、すぐにでも研究室を訪問して実験に立ち会いたいということでした。
そこで、擬似的な脱臭装置と臭気再現のための準備期間を考慮して、1週間後に共同で実験をすることで合意しました。

実験ユニット

◆ 研究成果（お客様への貢献）

研究室において、現場に近い臭気を再現していることを確認していただき、そのにおいが擬似的とはいえ提案した装置で脱臭できることを事前に確認できたことに対して非常に満足していただきました。

脱臭効果は上図のとおり、お客様3名に評価していただいた臭気強度の平均値を臭気濃度に換算して算出しました。

※ 臭気強度5：強烈なにおい、4：強い、3：楽に感知できる、2：弱い、1：やっと感知、0：無臭
※ 臭気濃度換算値5：1000倍以上、4：250倍、3：30倍、2：10倍、1：3倍、0：1倍

実験により事前に脱臭効果を確認することができたので、安心して装置の導入ができる。この脱臭装置を採用する方向で検討するという言葉を実験当日にいただきました。
遠く和歌山研究室までお越しいただきましたが、我々の事前効果確認の取り組みを評価していただけたのだと思います。
・・・すでに実際に脱臭装置を導入していただき、工場周辺でほとんどにおいは感じないので、脱臭効果にも満足しているというお言葉をいただきました。