においの話
嗅覚について
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「においって何?」の中で、ヒトは複合臭として臭いを感じ取っているという話をしましたが、
今回は、ヒトがどういう仕組みでにおいを感じ取るのか、をご紹介します。
ヒトが鼻から嗅いだにおいを嗅覚で何のにおいであるかを認識するためには、様々な場所に「においの情報」を伝達する必要があります。
詳細な説明をするとかなり複雑ですので、ここでは分かりやすく「リンゴのにおい」を例に、
簡略化したものをお話します。
まず、鼻の下にリンゴがあります。リンゴの気化したにおい分子が鼻から入ります。
次に、 鼻から入ったにおい分子が、鼻腔(びこう)の最上部にある嗅上皮(きゅうじょうひ)に到達します。
嗅上皮上に粘膜液が分泌されて細胞を守っていますが、におい分子はこの粘液に溶け込み、
嗅細胞(きゅうさいぼう)の嗅毛(きゅうもう)上の嗅覚受容体に結合します。
嗅細胞は、におい分子の情報を電気信号に変換し、嗅神経(きゅうしんけい)を介して
脳の嗅球(きゅうきゅう)へと伝えます。
嗅球に伝達されたにおいの情報は、さらに大脳へと伝えられ、においの識別、認知、記憶など
様々な反応を引き起こすことで、初めてヒトは「これはりんごのにおいだ!」と認識します。
いかがですか?簡略化しているのに、とても複雑な仕組みだと思いませんか?
ヒトの鼻の奥では絶えずこのような働きが起きています。
嗅覚とは、鼻から取り入れた空気中に含まれる様々な化学物質が、鼻の中にある感覚細胞に作用し、
脳に伝えられることで、においや香りを感じることが出来ているのです。
食べ物の美味しさを判断したり、人体への危険を感知するなど日常生活において
欠かせない感覚を担っているんですよ。