オゾンの安全性

オゾンは非常に強い酸化力を持ち、様々な場所や業種で脱臭・殺菌の用途で使われていますが、そもそも、オゾンは安全なのでしょうか?

オゾンの安全性は濃度と深い関係があります。

低濃度では、人体に影響を与えることはありませんが、濃度が高くなればなるほど人体に悪影響を及ぼします。

オゾン濃度(ppm)

人体に及ぼす影響

0.01 ~ 0.02

多少の臭気を感じる場合がある

0.02 ~ 0.05

オゾン特有の匂いがわかる

0.06

慢性の肺疾患の患者にも悪影響はない

0.1 ~ 0.3

鼻・のどに刺激を感じる

0.5

オゾン環境に労働する者に慢性気管支炎等が増える

0.6 ~ 0.8

胸痛・咳・呼吸困難・肺機能の低下等を生じる

1.0 ~ 2.0

疲労感・頭痛等を1~2時間で生じる

5.0 ~ 10

脈拍増加・体痛・麻酔状態・肺水腫をおこす

15 ~ 20

小動物は2時間以内に死亡する

0.01~0.08ppm程度の濃度は、自然界に存在する濃度で、人体に影響を与えるような濃度ではありません。0.1~0.3ppmでも鼻・喉に刺激を感じる程度の濃度です。
0.5ppmくらいから人体に影響が出始め、気管支炎や肺などの症状が出始めます。
それ以上の濃度になると、さらに人体へ影響を及ぼし、50ppm以上の濃度になると命に関わるとされています。

※ppmは「パーツ・パー・ミリオン」の略で、100万分率を表しており、濃度の単位として使用されます。

「命に関わる」と書いてしまうと、オゾンがとても危険な物質のように感じる方もいらっしゃると思いますが、濃度を適切にコントロールすれば決して危険な物質ではありません。

「オゾンって何?」でも記載しているとおり、オゾンは自然分解し時間が経てば酸素に戻るため、
低濃度のオゾン発生装置から人体に影響を及ぼすほど、高濃度の空間をつくることは不可能です。
また、オゾンは特有の臭いがするので、都市ガスのように臭いをつけなくても、臭気で検知することが可能です。

そして、日本産業衛生学会では、オゾンに関する労働環境での許容濃度を0.1ppm以下と定めています。
これは、労働者が1日8時間、1週間40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に暴露される場合、平均暴露濃度が0.1ppm以下であれば、労働者の健康上に悪影響を及ぼさない濃度ということを意味しています。

このように、オゾンの安全性は濃度と深い関係があり、人体に影響する有害領域と安全領域が確立されています。
正しくオゾンをコントロールすることで人体へ影響を与えず、安全に脱臭、殺菌をおこなうことができますので、目的や条件などを明確にしてから、オゾン発生装置を選定するようにしましょう。